AI時代の社会と教育を探求
本研究室では、AIとデータサイエンスを活用し、人の学び、行動、移動、コミュニケーション、社会的反応を分析する研究に取り組んでいます。特に、大学教育における生成AIの活用、学生のAIに対する認識の分析、協働学習支援システムの開発に加えて、地図情報、広告・CM効果など、社会の中で生み出される多様なデータを用いた分析も行っています。
私たちは、AIやデータを単なる技術として扱うのではなく、人間の行動や判断、学び、社会的な反応を理解するための手がかりとして捉えています。実際の教育現場や社会的データをもとに、よりよい学習環境、情報環境、社会的意思決定を支えるための研究を進めています。
上記と分野は異なりますが、素粒子・宇宙物理学の研究も行っています。
生成AIの普及により、大学教育における学び方は大きく変化しつつあります。本研究室では、生成AIを授業の中でどのように活用できるのか、またその利用が学生の理解、思考、学習意欲、学習成果にどのような影響を与えるのかを分析しています。
授業実践では、学生が生成AIを用いて課題に取り組むだけでなく、AIの回答を批判的に検討し、自分自身の考えを深める活動を重視しています。生成AIの利用を通じて、情報の信頼性を判断する力、問いを立てる力、他者と協働しながら考える力を育てる教育方法の開発を進めています。
主な研究テーマには、以下のようなものがあります。
生成AIを活用した大学授業の設計と評価
生成AI利用が学生の学習行動や学習成果に与える影響
生成AIの回答を批判的に検討する学習活動の設計
生成AI時代の情報教育・データサイエンス教育のあり方
AI利用に関する学生の不安、期待、倫理的認識の分析
学生がAIをどのように捉えているかを理解することは、AIを活用した教育を設計するうえで重要です。本研究室では、AIに対する学生の認識を多面的に把握するための「AI印象尺度」の開発に取り組んでいます。
AIに対する印象は、単に「好き」「嫌い」や「便利」「不安」といった一面的なものではありません。学生は、AIに対して期待や興味を持つ一方で、倫理的な問題、学習への影響、社会的影響、人間らしさへの違和感など、さまざまな観点からAIを捉えています。
本研究では、AIに対する不安、期待、学習動機、倫理的認識、認知的・感情的な受け止め方などを測定し、学生のAIに対する態度を明らかにします。これにより、学生の実態に即したAI教育や情報教育の設計につなげることを目指しています。
主な研究テーマには、以下のようなものがあります。
AIに対する学生の印象・態度を測定する尺度の開発
生成AI利用前後における学生の認識変化の分析
AI不安、AIへの期待、倫理的懸念の構造分析
AIリテラシー教育における学習者理解
大規模授業で利用可能な調査・評価方法の開発
HiGPTは、生成AIを組み込んだ協働学習支援ツールです。本研究室では、HiGPTを用いて、授業や国際協働学習における学生同士の対話、AIとの対話、グループワークの支援に関する研究を進めています。
HiGPTでは、学生がAIを利用しながら意見を整理したり、異なる視点を比較したり、議論を深めたりすることができます。また、教員は学習活動の過程を把握し、学生の理解や議論の進み方を分析することができます。
特に、日本と海外の学生が参加する国際協働教育では、言語や文化の違いを越えて対話を支援する仕組みが重要になります。HiGPTを通じて、生成AIが翻訳、説明、議論の整理、問いかけ、学習支援にどのように貢献できるのかを検討しています。
主な研究テーマには、以下のようなものがあります。
生成AIを活用した協働学習支援システムの開発
AIエージェントによるグループワーク支援
国際協働学習における生成AIの活用
学生の対話ログを用いた学習過程の分析
AIファシリテータによる議論支援の設計と評価
本研究室では、教育分野に限らず、社会の中で生み出されるさまざまなデータを用いた分析にも取り組んでいます。対象となるデータは、地図情報、アンケート、Web上の情報、広告・CMに対する反応など、多岐にわたります。
たとえば、Walking Spaceに関する分析では、人がどのような空間を歩きやすいと感じるのか、都市空間や施設内の移動がどのような要因に影響されるのかを、データに基づいて検討します。また、広告やCMの効果分析では、視聴者の反応、認知、印象、行動変化などに注目し、データに基づいて情報発信の効果を評価します。これらの研究を通じて、人の行動や社会的反応を理解し、より効果的な情報提供やコミュニケーションのあり方を検討します。
主な研究テーマには、以下のようなものがあります。
アンケートや行動データを用いた印象・認知の分析
データ可視化による社会的課題の把握
AI・統計分析を用いた社会データの分析
広告・CM効果の分析
デジタルマップを活用した空間情報分析
宇宙の始まり、物質の生成、質量の起源、暗黒エネルギー、暗黒物質といった素粒子・宇宙物理学の課題にも取り組んでいます。場の量子論、一般相対性理論を基礎に、計算機シミュレーションを駆使して、新たな理論の構築とその検証を進めています。
主な研究テーマには、以下のようなものがあります。
自発的対称性の破れと臨界現象
極限状態での素粒子反応
修正重力理論とその検証
本研究室では、教育、AI、データサイエンス、社会データ分析に関心を持つ学生を歓迎しています。研究テーマは、学生自身の問題意識や関心に応じて相談しながら決めていきます。なお、素粒子・宇宙物理学の研究に興味がある場合は、別途、相談ください。
たとえば、以下のようなテーマが考えられます。
生成AIを活用した学習支援の効果
生成AIに対する学生の不安や期待の分析
AIを用いたグループワーク支援
データサイエンス教育における学習者のつまずき分析
大学授業における学習ログの分析
AI時代に必要な情報リテラシー教育
国際協働学習におけるAI支援
学生の自由記述を用いた意識変化の分析
教育支援ツールの設計と評価
学習データを用いた授業改善
アンケートや行動データを用いた意識変化の分析
CMの視聴と消費行動データを用いた広告効果の分析
研究では、授業実践、調査、データ分析を組み合わせて進めます。教育データを扱う場合も、社会データや空間データを扱う場合も、適切な分析手法を理解し、適用の正当性を評価することから始めます。そして「何を明らかにしたいのか」「その結果をどのように活用できるのか」を大切にします。
プログラミングや統計分析の経験があることは望ましいですが、最初から高度な知識を前提としているわけではありません。AI、データサイエンス、教育、社会、地域、コミュニケーションに関心を持ち、実際のデータから意味のある知見を引き出したいという問題意識を重視しています。
素粒子・宇宙物理学の研究を実施する場合は、力学、電磁気学、統計力学、量子力学が前提知識となります。